いよいよお花見シーズン到来。日本人には馴染み深い桜ですが、意外に知らないこともありますよ。桜についてもっと知ることで、いつもと違うお花見の味わいが生まれるかもしれません。
お花見といったらソメイヨシノ。
学校の校庭や公園、街路樹など、桜と言ったら誰もが真っ先に思い浮かべるのは、ソメイヨシノではないでしょうか。咲き始めは淡紅色、満開時には白に近くなった花が咲こぼれる姿は、多くの日本人の心の原風景となっています。
ソメイヨシノの起源は謎だった。
韓国の固有種で王桜説、伊豆半島自然発生説など、その起源は謎が多いとされていましたが、最近の遺伝子研究により、エドヒガンザクラとオオシマザクラの交配種ではないかとの説が有力とされています。
ウィキペディアによれば、江戸時代末期か明治初期に、江戸の染井村の造園師や植木職人によって育成されたとありました。
名前に「ヨシノ」がつくと、あの桜の名所、吉野の桜と混同してしまいそうですが、当時の命名がこの吉野山からとられただけで、起源とは関係がありませんでした。
ソメイヨシノはクローン。
ソメイヨシノは自然に増えることはありません。ソメイヨシノの形質のまま増やすためには、接ぎ木や挿し木にするしかなく、結果クローンになってしまうとのことです。
各地にあるソメイヨシノは全て人の手で増やされたものです。
桜の種類は600種以上。
桜は、色も濃いものから薄いもの、花も一重咲きと八重咲きやしだれ咲き、時期も早いものでは2月から咲く河津桜、春と秋に2回咲くシキザクラなど様々。
種類は多いですが、大まかにはヤマザクラとサトザクラに分けられます。
ヤマザクラ
山に自生する野生の桜を「山桜」と言います。開花と同時に葉が出るのが特徴です。
また開花するタイミングに個体差があるので、一斉に咲くソメイヨシノと違い、長く花が楽しめます。
ソメイヨシノの親とされるオオシマザクラ、、エドヒガンザクラもヤマザクラとして有名です。
寿命が長く、樹齢1000年を超えるものも存在します。
サトザクラ
人の手で品種改良された桜を「里桜」と言います。ソメイヨシノはその代表的な桜です。
オオシマザクラを基に開発された園芸品種で、始まりは平安時代からと言われ、現在では200種類以上もあるそうです。
風流女子なら使ってみたい、桜の言葉。
桜を愛する日本には、花冷え、夜桜、桜吹雪、など数々の表現がありますね。その他にも、ちょっと使ってみたい、桜にまつわる言葉をご紹介します。
桜雨
桜が咲くころに降る雨のこと。
花あかり
群咲く桜のために、夜でも灯りがともっているように明るく見えること。
花霞
遠くに群れ咲く桜が、白く霞がかかったように見えるさまを言う。
花曇り
桜が咲くころ、空が薄く曇っていること。
花筏
散った花びらが、水面に浮かんで漂っている様子。
零れ(こぼれ)桜
散る桜
桜流し
散った花びらが雨や水に流れていく様子。
夢見草
桜の花の美しさにうっとり見ほれた様子からついた呼び名。桜の別名。
ぜひ、お花見にお気遣いを。
ソメイヨシノは美人薄明。
ソメイヨシノは植えて60年ほどすると樹勢が衰える木が多いと言われています。現存する中で一番の古木は、弘前城(弘前公園)の樹齢120年のソメイヨシノだそうです。親のヤマザクラが長寿なのに反して、短命なのは何が原因なのでしょうか。
ソメイヨシノは成長が早いので、その分老化も早いとされる説や、街路樹などでは排気ガスの影響、公園では根元を踏み荒らされるためではないかとも言われています。
現在の桜の名所の多くは、戦後に大量に植えられたソメイヨシノで、およそ70年ほどたっています。
ソメイヨシノはクローンであるため、全ての株が同一に近い性質を持つので、環境や病気に対し、同じような影響を受けることが考えられます。
植樹された時期が同じで同じように衰えるなら、各地の名所の桜も一斉に寿命を迎えるのではと心配されています。
あなたの街の桜は大丈夫ですか?
お花見の時には、根元を踏まないよう、桜から少し離れて鑑賞するようにしましょう。根元の土を踏み固められると、木が弱ってしまいます。
枝を折らないように気を付けましょう。折れたところから腐ってしまうことがあります。
ゴミの放置は雑菌の繁殖になるので、持ち帰るようにしましょう。
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