「しだれ桃の里」は和紙の里小原村からほど近い、豊田市上中町(旭地区)というところにありました。山の斜面に約3000本のしだれ桃が咲き誇る、東海の絶景スポットです。
すでに満車の駐車場。
2016年4月12日、平日の午前11時頃の到着でしたが、駐車場は満車。長蛇の列は免れましたが、出る車を待って順番に誘導されます。駐車場入口には、五平餅やたこ焼きなどの屋台、ジュースなどの飲み物、刃物の研ぎ屋さんのテントまで並んで賑わっています。
散策路は1キロにわたって続くので、お手洗いはこの駐車場ですませていくと良いですが、万が一行きたくなった時にも、ところ所に簡易トイレが設置されていて安心です。入場料は500円、この駐車場に入る時に支払います。
山の斜面にしだれ咲く。
しだれ桃の見頃は4月上旬から中旬ということですが、今日は丁度満開。お天気にも恵まれ、絶好のお花見日よりとなりました。散策路を挟んで、山の上から下へ、流れるように咲き零れる花。見逃すまいと、視線は上へ下へと忙しい、足元注意です。
色彩のうず。
すごい数のしだれ桃に囲まれ、気分は上場。桜色、紅色、濃桃色に、輝くような白、黄色のレンギョウは刺し色となって風景を引き締め、色のコンチェルトが催されています。草でさえ美しい緑の背景として、この宴に共演しています。
モネにここを描いてほしい、モネがここを描いた絵が見たい、そんな叶わない夢を妄想してしまいます。
東海美しい村10選に入れたい。
街道沿いに、ぽつんぽつんと佇む山あいの家が、花の影から見え隠れする様子に心魅かれます。日本人の深い部分にある、郷愁みたいなものを刺激されるからでしょうか。
勝手に選んで良いなら、ぜひここの風景、東海の美しい村10選に入れたいと思いました。
桃源郷の如し、異世界感。
散策路では、たくさんの人々が幸せそうに行き交います。しだれ桃の下でピクニックシートを広げお弁当を食べる人、犬と散歩しながら歩く人、写真を撮る人、誰もがにこやかで、額に皺を寄せた難しい顔の人は見当たりません。
不思議と美しいと感じている時の人の表情は、やはり美しく見えます。話しかける言葉も穏やかで優しいように感じます。だからやはりここは桃源郷、下界の雑多な出来事と自分を切り離し、しばし幸福感に満たされるそういう場所。人には時々そんな時間が必要なのだろうと思いました。
これだけの桃の木を植え、ここまでの名所にするには、大変な努力とご苦労があったに違いありません。今日ここに来られて良かった、とにかく誰かにお礼が言いたくなる気持ちになりました。
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