古民家をリノベーションした店内。
織部焼きで有名な瀬戸市は窯元も多く、こちらのカフェも、もともとは陶芸家の暮らす古民家だったそうです。
2015年にリノベーションされてからは、家具職人の酒井名月さんとともに、頭と心とからだを総動員して、日々の暮らしを創る面白さを共有すべく「山水ラボラトリー」という名でスタートしました。
カフェの傍ら、野菜、豆、雑穀を使った料理教室、アロマテラピーの教室、ヨガ、陶芸や、鳥の巣箱つくりなどのイベントなども行われています。
詳しくは庭禾(にわか)さんのホームページで紹介されていますので、ご確認ください。
漆喰の壁、窓にはすだれ、本日、市内では34度と暑い日だったのですが、天然の風だけなのに不思議と店内は心地良いです。
エアコンのなかった時代の日本の夏を、しみじみと味わうことができました。
地元産有機野菜と豆と雑穀のこだわり料理。
この青いタイル張りのキッチン、まるでNHK番組の「グレーテルのかまど」を彷彿させます。
ここで、美味しい豆雑穀料理が創られるわけですよ。基本的に動物性食材は不使用で、スイーツの一部に卵を使用されているとのことです。
本日のランチメニュー。今回はお昼を逃してしまいましたが、庭禾さんの味付けのセンスには定評があり、再来訪して是非また記事にしたいです。
今が旬の桃のタルト。バターを使用せず、タルト型も使用せずに、手で作られた形のタルト生地は、全粒粉の粒や風味が感じられました。
その上にはカスタードクリームと、ひんやりした桃がのせられています。一口食べればこのタルト、桃の甘さが引き立っていて、素材の味を大切にされていることがわかります。
美味しいアイスティーだったので、シロップ入れずに飲みました。
梅のソーダは、甘過ぎず、さっぱりしています。コップも吹きガラスのようです。
ハーブティーは、弱った心も元気にしてくれそうなとても良い香りです。
コースターも、麻ひもで手づくりされたのでしょうか?見ていると自分でも作れそうな気がして、何だか真似したくなります。
置かれた雑貨は、時が経過したレトロなものばかり。空っぽになった瓶には、マフィンが入っていたようですが、残っていればお持ち帰りしたかったです。
同じく瀬戸にある、「鬱蒼農園さん」の有機野菜。カフェの野菜は、ここのものを使っているそうです。庭禾(にわか)さんによると、有機野菜は数あれど、鬱蒼さんの元気な野菜は食べると力が出るそうです。
野菜に添えられたお手紙には、そのお人柄や野菜づくりへの熱意が伝わってきます。やはり、美味しい野菜というのは、作る人の気持ちが宿るのですね。
ちなみに鬱蒼さん、同じく瀬戸市で、金、土、日、3日だけのカフェもされています。畑のとれたて野菜をそのままカフェで食べられるということです、心魅かれますね。
目印は赤い橋。
お店は道路からは発見できず、看板も見あたりません。ナビで住所を入れて近くまで来たら、この赤い橋が目印です。
車一台ギリギリ通れる赤い橋を渡った先に、約10台ほど止められる駐車場があります。
清流沿いを、緑のトンネルをくぐりながら歩く小道、古民家は山を背に建っていて、白いムクゲが咲き、お出迎えしてくれました。
黒い羽根の、おはぐろトンボを見ました、田舎のおばあちゃん家に来たみたいです。
手づくりする暮らし、足りないを楽しむ。
カフェは7月は4日間だけの営業となります。理由は、一年に一度、この時期に、井戸のタンク掃除があるからだそうです。
カフェの水は、この井戸水を浄水、滅菌して使用しています。日照りが続いて水量が足りなくなると、お店はお休みになるそうです。
普通に考えたら不自由とも言える、ひと昔前のような生活が、実は、豊かに暮らすための、ひとつの答えではないかと思いました。
心が満たされる暇もなく、速く大量に作る、便利で時短できる反面、効率を中心にまわる社会は疲れるというか、一番大切な「今」を満たし損なってしまっている感があるのです。
面倒くさいけど一から創る、時間がかかるけど、回り道をわざわざする、何のためかわからないことでも没頭する。
もしかしたら、人生を楽しむコツは、そんなことにあるのかもしれませんね。
手づくりする暮らしの中に、暮らしそのものが心を満たし、生きる楽しみになる、そんなスローライフの本質を教えてもらった気がしました。
庭禾(にわか) NIWAKA
住所:〒489-0003 愛知県瀬戸市穴田町291瀬戸 山水ラボラトリー内
TEL:0561-65-3611
OPEN:不定期
駐車場:あり(10台程度)
・タイトルは自由
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